むかしむかし

あはははははははは！
アハハハハハハハハ！
ＡＨＡＨＡＨＡＨＡ！

ああ、心が乾く……

むかしむかし
むかしむかしあるところに、一匹の心優しいウサギがいました。
ウサギの棲む森には何も怖い動物がおらず、彼はとても心安らかな日々を過ごしていました。
ウサギの棲む森には他に誰も住む者もなく、彼はとても寂しい日々を過ごしていました。
ある日、ウサギの棲む森に一人の旅人が訪れました。
旅人は非常に疲れて飢えており、今にも神様のもとへ召されんばかりの有様でした。
ウサギは旅人をかわいそうに思って、いえ、なにより初めて出会った友達になれそうな人が今にも消えてしまいそうなのを悲しんで、旅人を助けようと頑張りました。
ウサギの食べている草は、とても旅人の口にはあいませんでした。
ウサギは背が低いうえに不器用で、くだものを取ってくることができませんでした。
ウサギは臆病でか弱かったので、それにこの森には他に動物もおりませんでしたので、獲物をとってくることができませんでした。ええもちろん、たとえそれができたとしても、ウサギは絶対にやらなかったでしょうけど！

困ったウサギは一計を案じ、火をおこして焚き火にしました。
そしてあろうことか、ウサギは自らその火の中に飛び込んだのです！
ウサギは旅人があまりにかわいそうなので、自分を食べて元気になってもらおうと考えたのでした。

旅人は本当は神様でした。
疲れてたのは嘘。
おなかが減ってたのも嘘。
ウサギの前に現れたのは偶然ではなく計算のうえでのことでした。
実はぜんぜんかわいそうではなかった神様は、自分を犠牲にしてかわいそうな旅人を救おうとしたウサギに向かってこう言いました。
「自殺者は煉獄行きじゃ！！」
こうしてウサギは今でも焼肉になっているそうです。
とっぴんぱらりのぷう